
バーチャル空間とはインターネット上に作り出された仮想空間のことを指し、PC、スマートフォン、タブレットなどで参加することが可能です。最近ではビジネス目的で用いられることも増えており、多くの企業から注目が集まっています。
今回の記事ではバーチャル空間の概要、ビジネスで生かすメリットなど様々なお役立ち情報をご紹介します。ビジネス場面でのバーチャル空間の活用例についても解説しているので、これからビジネスでバーチャル空間を活用する場合は是非ご参考にしてください。
1. バーチャル空間とは
バーチャル空間はできることが多く、仕組みも独特となっており、理解することでよりバーチャル空間のイメージがしやすくなります。
ここからはバーチャル空間の概要を詳しくご紹介するので、理解度を深める際のご参考にしてください。
バーチャル空間
バーチャル空間はインターネット上に作り出された仮想空間を指し、PCやスマートフォンで参加することが可能です。VRゴーグルにも対応しており、使用することでより臨場感のあるバーチャル空間を味わえます。
バーチャル空間では自分の分身となるアバターを動かし、他のユーザーとコミュニケーションを図ることが可能です。バーチャル空間内を自由に行き来できるので、現実世界に近い形で時間を過ごせます。
バーチャル空間はコロナ禍によるオンラインイベントの増加、VTuber の進出、ビジネスでの活用など様々なシーンで注目され、さらに需要が高まっています。アバターの再現度なども上がっており、実際に他のユーザーと繋がっているような体験が可能です。
バーチャル空間でできる内容
バーチャル空間では他のユーザーとコミュニケーションを図ることが可能で、ボイスチャット、テキストチャットなど様々な形で意思疎通ができます。他にも空間内の移動、ライブ参加、ゲームなどバーチャル空間ならではの様々な体験が可能です。
ビジネスで活用する場合はバーチャルオフィスにおけるリモート会議などが例として挙げられます。アバターを用いて会議ができるので、より本格的な会議に繋がるでしょう。他にもセミナーなども開けるので、ビジネスとの相性は高くなっています。
販売活動との相性も良く、デジタルコンテンツの販売や、バーチャル空間内の土地・現実の商品なども販売されていることがあります。
バーチャル空間の仕組み
バーチャル空間はユニティ・テクノロジーズ社が提供する「Unity」を用いて開発されることが多くなっています。Unity は3D/2Dの描画、サウンド再生、データ管理ツールなどがまとめて入っているのでバーチャル空間を開発する際に最適です。
より高度なバーチャル空間を開発する場合は、Epic Games 社が提供するプラットフォームである「Unreal Engine」が用いられることもあります。高画質で鮮明なグラフィックで制作できるので、よりデザイン性を向上したい場合に活用されることが多いです。
2. バーチャル空間をビジネスで生かすメリットとは
バーチャル空間をビジネスで活かすメリットとして、現実世界では再現しづらいデザインや世界観を作り出せる点が挙げられます。現実世界で再現しようとすると予算が高騰しやすいイベントやライブなどもバーチャル空間であれば、低コストで開催することが可能です。
また、バーチャル空間でのユーザーの行動について、データを収集して分析することができるのもメリットとなっています。自社のビジネスを改善する際のヒントに繋がり、より充実したマーケティング施策を展開することに繋がるでしょう。
3. バーチャル空間を体験するための主なデバイス
バーチャル空間を体験するためのデバイスはスマートフォンやパソコンだけではありません。「VRゴーグル」「家庭用ゲーム機」などでもバーチャル空間を体験でき、より臨場感のある雰囲気を味わえます。
それぞれのデバイスごとで特徴が異なるので、バーチャル空間を体験する際にも差が出てきます。ここからはそれぞれのデバイスの特徴について解説するので、デバイスを使用する際のご参考にしてください。
VR ゴーグル
スマートフォンやPC 、ゲーム機がなくても独立で稼働するVRゴーグルがあり、スタンドアローンタイプと呼ばれることが多くなっています。他のデバイスが無くても動作しますが、バッテリーや CPU を内蔵していることから、重量があるのがデメリットです。
重量があるので、取り回しが良いVRゴーグルを求める方には不向きです。スタンドアローンタイプのVRゴーグルはバーチャル空間のリアリティをより忠実に再現できるので、鮮明なバーチャル空間を楽しみたい方に向いています。
価格は5万~8万円程度で、PC・スマホ・ゲームと連動するタイプのゴーグルと価格はあまり変わりません。
パソコン用 VR ゴーグル
パソコン用VRゴーグルはスマートフォン用よりもVRに特化しているので、さらにバーチャル空間に対する没入感を高めることが可能です。バーチャル空間をより本格的に体感したいという方に向いています。
外部コントローラーが付属されていることも多いので、操作性にも優れており初心者の方でも扱いやすいのがメリットです。ただ、PC用VRゴーグルを使用する場合は、高スペックなパソコンが必要になるので、購入時は注意が必要になります。
価格の相場としては5万~8万円辺りとなっており、性能の高さと比例して価格も高いことが分かります。
スマホ用 VR ゴーグル
スマートフォンで活用できる VR ゴーグルは「スマホ用VRゴーグル」と呼ばれることが多く、価格の安さが特徴になります。安いタイプであれば数千円程度の価格で購入できるので、スタンドアローン型や PC 型よりも出費を抑えられます。
ただ、スマホ用 VR ゴーグルはあくまでスマホ用なので、最低限の機能しか搭載されていないことも多くなっています。スタンドアローン型や PC 型よりも再現度は低いので、高品質なバーチャル空間を体感したい方には向いていません。
スマホ用 VR ゴーグルはスマートフォンのタッチパネルを利用するので、ゴーグルからスマートフォンを取り外すことも多い点にも注意が必要です。
家庭用ゲーム機
家庭用ゲーム機のVRゴーグルも販売されており、代表的な製品としては「 PlayStation VR 」が挙げられるでしょう。ゲーム機である「 PlayStation 4 」に接続して使用でき、バーチャル空間はもちろん、VRに対応したゲーム作品を遊べます。
PlayStation VRはシネマティックモードも搭載されており、VR に対応していないゲーム、YouTube 動画、映画を巨大なスクリーンで楽しめます。対応しているサービスの幅が広く、便利な製品になっているのがポイントです。
PlayStation VR は新品で3万円~4万円台で購入できるので、コストパフォーマンスが高いのも特徴になっています。
4. ビジネス場面でのバーチャル空間の活用例
ビジネス場面でバーチャル空間を活用する場合、イベント、展示会、研修など様々な場面で役立ちます。以前ではオフラインで行う必要があった場面も、現在ではバーチャル空間を用いて体験することが可能です。
ここからはビジネス場面でのバーチャル空間の活用例を6つに絞ってご紹介するので、1つずつ確認していきましょう。
①バーチャルイベント
バーチャル空間ではトークショー、ライブ、セミナーなど様々な種類のイベントが開催できます。オフラインでは予算や場所の都合で開催することが難しい場合でも、オンラインであれば実現できることも多く、より自由度の高いイベントを展開することが可能です。
オンラインであれば全国から様々なユーザーが簡単に参加できるので、より集客に結び付きやすいのもポイントです。より多くの人に自社のコンテンツを認知してもらえるので、知名度向上を狙いたい場合にも向いています。
商品販売などもバーチャル空間内で展開できるので、売上アップを考えている場合にも役立つでしょう。
②バーチャル展示会
バーチャル空間では展覧会も開催することができ、自社商品などを多くの人に紹介する際に便利です。バーチャル空間ならではのCG演出や空間設計も可能なので、オフラインの展示会とは違った形でのアピールに繋がります。
バーチャルイベント会場からユーザーを公式サイトやECサイトへアクセスさせることもできるので、商品購入に直結しやすいのがメリットです。バーチャル空間を訪れたユーザーのアクセス解析なども可能なため、他のマーケティング施策に活かす際に役立ちます。
③バーチャル研修
バーチャル空間を用いて、様々な業務を教える「バーチャル研修」も多くの企業で注目されています。色々なシチュエーションをリアルに再現できるので、受講者側もイメージがしやすくなり、効率良く研修を実施することが可能です。
バーチャル空間であることから何度でも研修内容を復習しやすく、学んだ内容が定着しやすいのもメリットになっています。コンテンツの演出によってはゲームのように研修できるので、受講者側もリラックスした状態で研修を受けられるでしょう。
本格的なバーチャル研修を開発する場合は費用が膨らむことがあるので、社内でよく検討した上で開発するかどうか決定しましょう。
④バーチャル内見
不動産事業を行っている企業では、モデルルームのバーチャル内見を行っているケースも多くなっています。モデルルームの雰囲気を手軽に体験できるため、ユーザー側にとっても利便性が高いのがポイントです。
スマートフォンやPCのWEBブラウザ上で部屋の隅々をチェックできるので、検討材料として役立てることが可能です。家から出なくてもオンライン上で検討できるようになり、よりスピーディな決断が下せます。
制作したバーチャル内見コンテンツはQRコードで共有できるので、チラシや広告に活用する際にも便利です。
⑤バーチャルオフィス
最近ではコロナ禍の影響により、オンライン上での出社を行うためにバーチャルオフィス が注目され始めています。アバターを用いて他の社員と気軽にコミュニケ―ションがとれるので、オフラインの職場に近い雰囲気で働くことが可能です。
バーチャル空間で仕事を行うので社員は出社をする必要が無く、通気時間もかからないため、よりストレスフリーな形で働けます。アバターを用いた会議もできるので、用途が広いのもメリットと言えるでしょう。
⑥バーチャルショッピング
バーチャル空間のショップで買い物ができる「バーチャルショッピング」も多くの企業に注目され、需要が高まっています。外に出ずに実際の店舗に近い雰囲気を味わえるのが魅力です。商品は3DCG化されていて、様々な角度から確認でき、検討もしやすくなっています。
出店企業は、アクセス人数、商品閲覧数、ECサイト遷移数など様々な数値を分析できるため、他のマーケティング施策を展開する際にも役立ちます。
5. バーチャル空間の可能性
2020年から続くコロナ禍の影響でオフラインでの触れ合いが難しくなり、オンラインで開催できるイベントなどの需要が高まりつつあります。非接触で開催できるバーチャル空間でのイベントは需要が高く、今後も多くのユーザーが活用するコンテンツになるでしょう。
バーチャル空間を用いてイベントなどを開催することで感染対策になるだけではなく、実際の移動時間なども削減できます。そのため、今後は効率重視を行う目的でバーチャルオフィス、内覧、ショッピングなどの分野も発展していくことが予想できるでしょう。
6. バーチャル空間を活用してさらなる事業展開を目指しましょう!
今回の記事ではバーチャル空間の概要、バーチャル空間の実用例など様々なお役立ち情報をご紹介しました。バーチャル空間をビジネスで生かすメリットなども記載しているので、ビジネスで活用する際のイメージもしやすくなったのではないでしょうか。
バーチャル空間ではイベント、展示会、内覧など様々な事業に活かすことができます。実際に外に出ることなく様々な体験が可能になるので、多くの企業が注目し、自社の事業に活用しているのが現状です。
自社の事業内容の中で、バーチャル空間で展開できそうなものがあれば、チャレンジして事業領域を広めてみるのも良いのではないでしょうか。