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【Web1.0,Web2.0,Web3.0とは】歴史やWeb3の未来の展望を解説

作成者: Diarkis マーケティングチーム|2022/02/28 15:28:12

1995年にWeb1.0の時代が登場して以来、インターネットは時代の変化と共に進化し続けており、今や私たちの生活には欠かせないものとなりつつあります。

特にWeb2.0の時代ではスマートフォンの普及によってSNSが世界的に大流行したことで、個人間でのリアルタイムでのやりとりや投稿のシェアなどが便利になりました。

しかし、Web2.0の時代では多くの人の個人情報が特定の企業に握られてしまうといった問題も起きており、情報漏洩やプライバシー問題も懸念されていることが事実です。

これらの問題の解決を期待されているのがWeb3.0であり、ブロックチェーンという技術を活用した「大企業に支配されない新時代のインターネット」とも呼ばれています。

この記事では、Webの歴史をWeb1.0、Web2.0、Web3.0それぞれの時代における特徴に加えて今後のネットワークの未来における展望について解説していきます。


1. Webの歴史

 Web の歴史は大きく分けてWeb1.0、Web2.0、Web3.0の3つの時代に分類され、それぞれの時代において新機能の出現やトレンドの変化が発生しているのです。

以下では、Web の歴史をそれぞれの時代ごとに分けて解説します。

 Web 1.0

 Web1.0 時代は「ホームページ時代」とも呼ばれており、Web1.0は1990年代半ばから2000年代半ばにかけて普及してきたインターネットやWebの総称と言われています。

 Web1.0 の時代では情報の送り手・受け手が決まっていることを前提とした一方的な流れが可能であったものの、それ以上の機能は実現されていませんでした。

まだWifiが普及していなかったWeb1.0の時代はインターネットへの接続に速度の遅い電話回線が使われており、動画の再生や画像の表示には膨大な時間が費やされていたのです。

 Web 2.0

 Web2.0は「誰もがWebを介して情報発信ができるように変化したWeb」のことを指し、ネットワーク機能を持つ全てのデバイスに広がるプラットフォームでもあります。

 Web2.0の出現によってこれらのサービスが普及したことにより、多くのユーザーにとってネットワーク機能を持つ端末から情報を発信することが容易になりました。

更にPCやスマートフォンの普及によって利用者が増加したことで、情報の量は莫大なものとなると当時に、質の高い情報社会が形成されてきたのです。

 Web 3.0

 Web3.0は「権力分散型のネットワーク」を指し、次世代におけるインターネットとも言われています。

 Web3.0は近年世界中で注目を浴びており、「特定の企業に握られている個人の情報資産の分散化」を目的としたブロックチェーンの技術の活用が行われていることが特徴です。

ブロックチェーンとはデータベース技術の一種であり、情報をブロック単位で管理して連結し、各ブロックにハッシュ値を埋め込んで保管するといった方法が使われています。

 Web3ではこの方法を応用することによって、個人情報は特定の大企業の中ではなく各ブロックの部分に当たるユーザーによって管理される仕組みを確率しているのです

 

2. Web1.0時代(1995-2005年)

まずは、Web1.0時代におけるコミュニケーションの手段や特徴について見ていきましょう。

一方向のコミュニケーション

Web1.0時代、インターネット上におけるアクセスは「閲覧」や「検索」といった一方向のコミュニケーションが中心であり、以下のツールが主流となっていました。

・企業や個人の「ホームページ」

・GoogleやYahooなどの「検索エンジン」

・電子メールを送信・受信するための「メール専用ソフト」

どれも明確な送信・受信相手が決まっている通信手段であることが特徴で、情報の発信や投稿のシェアといったコミュニケーションの手段はまだ少数であった時代です。

これらのツールは多くのユーザーに今でも使われ続けているものの、Web2.0の登場やスマートフォンの普及により、Web1.0のツールは主流のものでは無くなりつつあります。

 

3. Web2.0時代(2005-2018年)

ここからは、Web2.0時代のコミュニケーションの手段やその特徴について解説します。

双方向のコミュニケーション

「SNS時代」とも呼ばれる Web2.0時代 では、SNS上でのやりとりやクラウド上での情報の共有など、インターネット上における双方向のコミュニケーションが実現されました。

 Web2.0 では全てのアプリケーションが「ネットワークが本質的に持つ長所を最大限に活用するもの」と位置付けられており、具体例としては以下のものなどがあります。

・LINEやInstagramなどの「SNS」

・インターネット上での情報発信が可能な「オンラインブログ」

・オンラインのクラウド上における「チャットツール」

今や世界を代表する企業において提供されているサービスである「FaceBook」や「Twitter」も、Web2.0で実現された双方向のコミュニケーションツールの一つです。

その他にも「出会い系アプリ」や「通話機能のあるオンラインゲーム」なども、Web2.0によって私たちの生活に浸透しているアプリケーションとなっています。

Web2.0の問題点

 Web2.0 の普及によって誰もが自由に情報を発信できるようになり、それに伴って一部の企業におけるサービスのユーザーは爆発的に増加することに繋がりました。

中でもTwitterやYouTube、FacebookやInstagramといったSNSの普及は情報の発信者と閲覧者の双方向のコミュニケーションを実現した代表的なツールです。

ところが Web2.0の時代では、これらのサービスの提供元である一部の大企業に多くのユーザーの検索履歴や個人情報が集中するという問題が発生しました。

不特定多数の個人情報が特定の場所に集中する中央集権的な Web2.0 の情報社会では、サイバー攻撃による情報漏洩や一部の企業による個人情報の独占などが懸念されています。

 

4. Web3.0時代(2018年~)

ここからは、Web3.0時代におけるWeb上のコミュニケーションの変化について解説します。

多方向のコミュニケーション

 Web3.0 では、「分散型ネットワーク」の仕組みをブロックチェーン技術により実現することで、中央集権型ネットワークの問題を解決することを目的として作られています。

分散型ネットワークを簡単に言い換えると「誰でも閲覧・検証が可能なネットワーク」となり、情報資産を相互に監視できる多方向のコミュニケーションが実現されるのです。

 Web3.0 では分散型ネットワークの仕組みにより、データの改ざんや不正アクセスをいち早く検出し、プライバシーを個々で守りやすい仕組みを作ることが期待されています。

また Web3.0 の考え方は近年話題になりつつあるメタバース(インターネット上の3次元の仮想空間)や、NFTなどとも密接に関係があることが特徴です。

メタバースは「個人間での情報のやり取りの場」であり、検索履歴や商品購入の意思決定なども一部の大企業ではなく、全て個人に依存されます。そしてこの環境においての商品やデータが本物であることを証明するのがNFTの役割です。

 

5. Web3.0が作り出す今後の未来

Web2.0の時代では、誰もがSNSを通して情報を検索・発信・共有出来る非常に便利な世界が実現されました。ところがそれと同時に、多くのユーザーがSNSを利用することによって一部の大企業に行動履歴を管理されている状態が続いているのです。

Web3.0の提唱者であるギャビン・ウッド氏は現代のWeb2の世界を「富、権力、影響力が集中した中央集権的な構造体」と述べています。

そしてこの構造はサイバーセキュリティの脅威やユーザーからの信頼的観点から見ても、長期的に維持できる体勢ではないという見解も示しているのです。

今後主流となる可能性のあるWeb3.0には、Web2.0が現在抱えている情報セキュリティの脆弱性やプライバシーの問題を解決することが期待されています。

ここからは、Web3.0の実現によって期待されるネットワークの世界の新たな変化について見ていきましょう。

企業・国境の制約がなくなる

 Web3.0が普及することで期待できる一つ目の効果として挙げられるのが、世界中のユーザーが企業や国境の制約なくインターネットを利用できるようになることです。

Web2.0における中央集権的なサーバーにアクセスできるのは企業の内部の人間のみであり、外部の人間は中に格納されている情報にはアクセスできません。

また、国の政策により国内にグレートファイアウォールが設置されている中国では、TwitterやFacebookなど一部のサービスへのアクセスが禁止されています。

Web3.0におけるブロックチェーンへの参加には国籍や人種の制限が存在せず、個人情報が集中したサーバーも存在しません。誰でも自由にインターネットにアクセスできる世界を実現することが可能となるのです。

ネット空間のプライバシーを個人が取り戻す

 Web2.0の世界では、一部の大企業の元に膨大な量の個人情報が集まっています。これは言い換えると、ネット空間におけるプライバシーが守られる保証がないということにもなり得るのです。

更にこれらの企業のデータベースサーバーは多くの人々の個人情報が集中管理されているため、サイバー攻撃の標的となりやすくなることは避けられません。

対してWeb3.0には「個人情報や行動などのログを自己管理できる」というメリットがあるため、以下の効果が期待されます。

・検索履歴や行動履歴から個人情報が収集されなくなることで、情報セキュリティが向上する
・広告を表示させずにサービスを利用できるようになる
・一部の情報などを任意で提供することで、対価として報酬を得られる

Web3.0が普及することで、個人情報が一部の企業に暗黙的に管理される仕組みがなくなり、ユーザー同士が互いに情報資産を監視出来る仕組みが確立されるのです。

 

6. Web3.0の世界で大切なのは「情報資産を自己管理するための知識を作ること」

この記事では、「Web3.0が今後広まることで、ユーザーの個人情報やプライバシーなどは中央集権型ではなく、分散型に管理される時代が来る」ことを解説してきました。

Web3.0が従来のWebと大幅に異なる点は、トラストレス(正当な事実であり偽りがない保証がある状態)であること。ブロックチェーン技術によって私たちの個人情報は非常に細かい単位で管理されるようになり、セキュリティレベルが向上します。

Web2.0が主流である現在、私たちの検索履歴や行動履歴は全て、日々利用している無料サービスの対価としてGoogle、Twitterなど一部の大企業の元に集められています。

「YoutubeやTwitterに表示される広告が自分が検索している内容と近いものになった」という現象は、個人情報が中央集権型で管理されていることの典型例でもあるのです。

しかし、これらの大企業でも皆さんの個人情報やプライバシーを100%管理できる保証はあるのでしょうか。結論から言うと、100%流出や漏洩を防げる保証はありません。

Web3.0はブロックチェーン技術(ユーザー同士が互いに情報資産を監視・管理し合うこと)を活用し、個々が情報管理が出来る時代を創ることを目的として作られています。

ここで大切になるのが、Web3.0自体の広まりだけでなく私たちユーザーのWeb3.0に対する知見、そしてリテラシーを向上させることです。