「バーチャル展示会とはどんなものか」
「バーチャル展示会を行うメリットは何か」
「どういったバーチャル展示会が行われているのか」
このような疑問を抱えていませんか?
バーチャル展示会は、VR 技術を活用しオンライン上で行われる展示会です。
日本でも多くの企業が導入しており、今後一般的になることが予想されます。
ただ、これからバーチャル展示会を行おうとしている人は、どうやって始めればいいのか疑問に感じることも多いです。
そこでこの記事では、バーチャル展示会の詳細を詳しく解説します。
バーチャル展示会とは、オンライン上で行われる展示会のことです。オフラインで行っていた展示会を、バーチャル映像を使うことでオンラインで実施します。主に企業のサービス展覧会やモーターショー、オープンキャンパスで活用されています。バーチャル展示会の実施例として「バーチャル展示会360」があります。
国内最大規模のバーチャルデザイナーをもつ「スペースラボ株式会社」が、2020年9月に発表したもので、Webブラウザからアプリを使わずストリートビューで参加可能です。音声での呼び込みや 3DCG による空間演出が導入されているため、現実世界での展示会に限りなく近くなっています。
また、バーチャル展示会ではオンライン上で商談を進めることも可能です。
従来のECサイトでは、商品の情報を伝えることが難しかったです。しかしバーチャル展示会では、顧客と実際にやりとりしながら取引できるので、商品の情報を正確に伝えられます。
バーチャル展示会の実施には、以下4つのメリットがあります。
順番に見ていきましょう。
バーチャル展示会はオンラインで行うものなので、日本だけでなく世界中のどこからでも閲覧できます。オフラインでの展示会だと、開催する時間と場所が決まっています。
そのため、中には遠方から時間をかけて会場まで足を運ばないといけない人もいます。
しかしバーチャル展示会なら、オンラインでの開催なので時間と場所の制約がありません。
ネット環境さえあれば、自宅からでも展示会に参加できます。
また、オンライン上の展示会なので、夜遅くでも閲覧可能となり参加しやすくなっています。
オフラインの展示会だと、台風や大雪といった悪天候の影響を受け、中止になることもあります。
しかし、バーチャル展示会は天候の影響も受けないので、中止のリスクがなくなります。
バーチャル展示会の方が、オフラインでの開催よりも多くの顧客層に商品・サービスをアピールできます。オンライン上での開催で、参加のハードルが低いことが要因です。
バーチャル展示会なら、遠方の人やまとまった時間を確保できなかった人も気軽に参加できます。
そのためより多くの人が参加するので、その分自社製品・サービスをアピールできる人数も多くなるのです。顧客数が多くなる分商談の機会も増えやすく、契約増加も期待できます。
また、バーチャル展示会は場所の制約がないので、日本国内だけでなく海外在住の人にもアピール可能です。そのためオフライン開催に比べて顧客層が幅広く、商品・サービスのアピール効果が高まります。
バーチャル展示会を開催することで、閲覧者の申し込みから来場、離脱までの行動をすべてデータを集めてマーケティングに活用できます。
具体的には、以下の顧客データを得られます。
上記により、どの層の顧客が関心を持っているかを、大量のデータから正確に分析可能です。
手に入れたデータは、今後の営業活動やマーケティングに活かせます。また、次のバーチャル展示会を開催する際の改善にもつなげられます。
データをもとにバーチャル展示会の出品を改善しまた新たなデータを得れば、より今後の事業に活かしていけるでしょう。
バーチャル展示会なら、オフラインでの開催より、出展コストを抑えることができます。会場の装飾や展示会運営スタッフの人件費もいらなくなるので、開催・出展コストの大幅な削減が可能です。
また、遠方で開催される展示会なら、スタッフが現地へ行くための交通費もかかっていました。バーチャル展示会ならネット上で行われるので、スタッフの現地までの交通費もかかりません。
バーチャル展示会用の資料を作れば、今後も続けて利用できます。別のバーチャル展示会出展時の資料作成コストを減らせるので、コストを抑えつつ商品・サービスを広められます。
バーチャル展示会への出展には、以下のデメリットもあります。
上記のデメリットも理解した上でバーチャル展示会に出展すれば、失敗を避けられます。
順番に見ていきましょう。
バーチャル展示会はオンライン上での開催なので、実際に商品に触れて確かめられません。
オフラインの展示会では、たまたま通りかかったブースに立ち寄ることもあります。しかしバーチャル展示会では、オフライン開催の時のような、出展ブースでの偶然の出会いは少なくなります。
また、バーチャル展示会は、開催前にある程度関心を持ってもらっていないと、来店してもらえません。来店されなければ、当然商談・契約まで進むこともなくなります。
さらにバーチャル展示会は、商品・サービスを実際に使うという物理的な体験も難しいです。そのため、どうしても商品を見ている・スタッフの話を聞くだけになりやすいです。
バーチャル展示会は商品に触れられない分、顧客を惹きつけ魅力をアピールする工夫が求められます。
バーチャル展示会の方が、営業活動の難易度が高くなります。
バーチャル展示会では、オフライン開催のように会場を歩いている来場者に声をかけることができません。そのため、顧客に対してこちらから働きかけにくく、営業が難しいのです。
特に手にとって使用する商品・サービスは、オンラインではどうしても使い勝手が分からず営業しづらいです。
情報量が少ない中、資料や担当者の知識でカバーしないといけないので、顧客へのアピールは困難となります。
対策としては、VRで現実に近い体験をしてもらう、後日サンプルを送付するなどの方法が有効です。
来場者はもちろんのこと、主催者側もネット環境の影響を大きく受けます。
主催者側は、安定して通信できるサーバーを用意する必要があります。もし用意できていなければ、来場者が殺到した場合サーバーが落ちてしまい、通信できなくなるかもしれません。
サーバーが落ちればバーチャル展示会を継続できず、商品・サービスを広めることもできなくなります。
また、ネットの接続が安定しない場合も、来場者の満足度が低くなり出店効果が薄まります。
サーバーが落ちる・接続が不安定にならないよう、アクセスが殺到しても耐えられるサーバー環境を用意しましょう。
バーチャル展示会を開催しようにも、プラットフォームはさまざまなものがあり、どれを使えばいいか迷うことも多いです。
そこでここからは、バーチャル展示会開催におすすめのプラットフォームを6つ紹介します。
順番に見ていきましょう。
「meet × meet」は、1つの展示会で最大100社の出展企業を集められ、大規模な合同展示会にも対応したプラットフォームです。オフライン展示会のようにブースの設置もできるので、来場者の利便性も高められます。
出展ブースでは担当者の顔が表示されており、対面で会話しているような感覚を得られます。バーチャル展示会ですが、人と話している感覚を失わずにすむのが大きな特徴です。
また、各ブースへの訪問数も表示されるので、来場者は人数を確認することで賑わいを判断できます。
「エアメッセ」は、VR技術を使うことで、オフラインのようなクオリティの高い展示場を作成できます。
サイト上に商品を検索する機能、展示を絞り込む機能、商談依頼をする機能が標準搭載されており、バーチャル展示会の開催に必要なものがすべてそろっています。
また、エアメッセを提供する「セキュアロジック株式会社」では、バーチャル展示会の豊富なノウハウを持っています。
出展各社のサービスデータや納期管理も任せられるプランもあるので、バーチャル展示会を初めて行う人でも利用しやすいプラットフォームです。
「NEUTRANS」は、バーチャル空間でのビジネス活動を可能にするVR施設で、バーチャル展示会の開催にも使用可能です。
NEUTRANSに搭載されている「ボイスチャット」は、複数人でのリアルタイム通話に対応しています。
音の位置がわかる3Dサウンドによって臨場感のある会話ができるので、オフライン会場のような感覚の展示会にできます。また、パソコンからバーチャル空間に入れる「PC機能」も搭載済みです。
そのため、VR機材を持っていない人にも、バーチャル空間で商品・サービスのアピールをしていけます。
「V-MESSE」ではバーチャル展示会主催者のニーズに合わせて、以下のブース構築機能を選択できます。
幅広いニーズに対応しているため、満足のいく形での出展ができるでしょう。
今までのバーチャル展示会では、サイトとオンライン商談ツールが別々に提供されることが多くありました。その中でV-MESSEは、同じプラットフォーム上に「参加型コミュニケーション機能」を実装しています。
オンライン商談やチャット機能、疑似ライブ配信機能もあるので、シームレスなバーチャル展示会を行えます。
「Event Base」は、大規模展示会やリアル・オンラインハイブリッド型の展示会、自社カンファレンスまで幅広く対応できるプラットフォームです。
「動画配信」と「企業オンラインブース」の2つを使うことで、実際の展示会に近い体験を提供できます。また、Event Baseには「ランダムマッチング機能」というものがあります。
これは、3分単位で企業と来場者をランダムにマッチングし、ビデオ通話を行える機能です。
バーチャル展示会では事前に興味を持ってくれていないと、自社ブースに来てもらいにくいです。
しかしランダムマッチング機能があれば、オフライン展示会でたまたま通りかかった時のような偶然の出会いが期待できます。
「 HIKKY 」は世界最大のバーチャルイベント「バーチャルマーケット」を展開しています。世界中から100万人以上が訪れる企業ブースを行ったことで注目を集める事業となっています。
バーチャルマーケットは2018年8月から開催が始まったイベントで現実世界と同様に買い物を楽しむことができるプラットフォームです。
ヘッドマウントディスプレイ( HMD )を装着したバーチャルマーケットは、より現実に近いリアルな体験ができることも特徴の1つです。
又、HIKKY は「バーチャルリアリティマーケットイベントにおけるブースの再多数」と「1時間で Twitterに投稿させらアバターの写真の再多数」という2つのギネス世界記録を樹立するなど、新たな記録を作り出しています。
バーチャル展示会はただ出展するだけでは、商品・サービスのアピールにつながりません。
バーチャル展示会への出展時は、以下3つのポイントに注意が必要です。
順番に見ていきましょう。
まずは、バーチャル展示会を行う目的を明確にしましょう。
バーチャル展示会を行う目的は、自社商品を広めたい・見込み客を増やしたいなどさまざまです。
どういった目的で行うかによって、出展方法やプラットフォームに必須となる機能が変わってきます。
た
とえば商品を広めたいなら、VRやARに対応している方が顧客に魅力が伝わりやすいです。
バーチャル展示会への出展を成功につなげるためにも、最初に目的をはっきりさせましょう。
バーチャル展示会では、見込み客を絞ることが重要です。
バーチャル展示会には世界中から参加できるが、すべての人へのアピールはできません。
バーチャル展示会の場合、新しいやり方への興味から参加していて、購買意欲の低い人もいます。こういった人にアピールしても、商談につなげることも難しいです。
バーチャル展示会の前に、どういった層が自社商品・サービスへの購買意欲が高いかを分析しましょう。
場合によっては、出展内容の限られた展示会が有効なこともあります。
バーチャル展示会に出展して、利益につながらなければ意味がありません。
バーチャル展示会の費用対効果は、以下をもとに考えましょう。
上記を検討し十分な利益につながらないのであれば、出展方法の見直しが必要です。
利益が見込める状態になってから、バーチャル展示会に出展しましょう。
バーチャル展示会はいくつも行われていますが、どんな形式なのかイメージできない人もいます。
そこでここからは、バーチャル展示会・ショールームの事例を紹介します。
順番に見ていきましょう。
大塚家具は、東京・青山にイタリアのブランド特化型専門店「Poltrona Frau Tokyo Aoyama」のバーチャルショールームを公開しています。
スマートフォンやパソコンから、実際に店舗を歩いているような疑似体験が可能です。
そのため、店舗に来店する時間のない人や遠方に住んでいる人でも、店内の様子や商品を間近で見れます。
大塚家具は、バーチャルショールームにより「お客様の利便性を⾼めるとともに店舗の魅⼒を訴求していく」ことを目標としています。
Panasonicでは、さまざまな機能を活用した体験型の展示会を行っています。
上記の機能により、オフラインに限りなく近い状態で展示会が可能です。
気になる商品があった場合は資料請求をしたり、その場でプラン作成依頼をしたりできます。
新築やリフォームで相談したいことがある場合は、Web相談を申し込んでみるといいでしょう。
「UGG®(アグ®)」を手がけるデッカーズジャパン合同会社は、2020年6月に秋冬コレクションの新作を3Dのバーチャル展示会でプレス関係者を対象にお披露目しました。
3Dを使ったのは2020年6月が初めてですが、これまでにも本国アメリカでバーチャル展示会を行っています。カラフルなコレクションであることに着目して新色やキーカラー別に展示し、カラフルなストーリーを表現した展示会となりました。
来場者からは「時間や場所にとらわれず参加できた」「何度も見返せた」という声が多かったため、継続的な開催を検討しています。
バーチャル展示会はネット上で多くの顧客層にアピール可能で、今後の営業活動につなげていけます。
難しいイメージがあるかもしれませんが、世界中の人に商品・サービスをアピールできるのは、バーチャル展示会の大きな強みです。
この記事の内容も参考に、バーチャル展示会の開催・出展にチャレンジしてみてください。