「DAOにはどんな特徴がある?」
「DAOの仕組みって?」
「DAOの将来性は?」
このような疑問を抱えていないでしょうか。
DAOは「自律分散型組織」と呼ばれるもので、ブロックチェーンを活用しています。
株主、経営陣、役員などの中央管理者を持たず、従来の組織や企業の形態とは全く異なる仕組みで成り立っています。
今後の成長が期待されていますが、DAOがどんなものかよくわからない人も多いはず。
そこでここからは、DAOがどんなものなのかを詳しく解説します。
DAOは「Decentralized Autonomous Organzation」の略称で、日本語では「自律分散型組織」と呼ばれます。
ブロックチェーンに基づく組織や企業の形態の一つで、株主、経営陣、役員などの中央管理者を持たず、組織内の構成員一人一人によって自律的に運営されています。
つまりミッション実現に向かって、メンバーが自ら自律的に価値提供をして、事業を推し進めていけるのです。
DAOで最も有名なのかビットコインのプロジェクト。「サトシナカモト」というリーダーがいなくても、ビットコインは世界中のマイナーたちの貢献で100兆円近い時価総額まで成長しています。
DAOには、以下3つの特徴があります。
順番に見ていきましょう。
DAOは中央管理者が不在で、組織に参加しているメンバー同士で意思決定を行います。
従来の株式会社では、意思決定を上層部で行い、決定事項が上から下に伝えられる「トップダウン方式」が一般的です。
一方DAOは組織を統率する代表者がいないため、参加者同士で意思決定が行われます。
DAOは誰でも参加できるので、興味のあるプロジェクトを運営しているところがあれば自由にメンバーになれます。
株式会社であれば雇用契約を結んでから働きますし、退職する場合も契約解除の手順が必要です。しかしDAOであれば、インターネットに接続できる環境さえあれば誰でも参加できます。
DAOの意思決定に関わるには「ガバナンストークン」を保有する必要があります。
ガバナンストークンとは、ネットワーク運用や開発についての方針をホルダーによる投票で決定するトークンです。
トークン保有者はDAOの組織運営に対する提案をしたり、意思決定に関わる投票に参加したりする権利を得られます。
また、DAO内の取引はすべてブロックチェーンに記録され、維持されます。
これにより、DAOは透明性が高い状態で分散化。責任を負わない自律的な組織となっています。
DAOは透明性が高く、どのようなルールに基づいて運営されているのかが誰でも閲覧可能です。
ブロックチェーンはオープンソースなので、ソースコードを見ればスマートコントラクトの内容を確認できます。
つまり、どのようなルールで組織が運営されるのかが、誰でも把握できるのです。
株式会社の場合、組織のルールが全て明文化・公開されているとは限りません。社員や外部以外の人では、全体のルールを確認するのは困難です。
一方DAOであれば組織の参加者も、そうではない方もソースコードを閲覧できます。
DAOの特徴について詳しく知りたい人は、以下の動画も参考にしてみてください。
DAOは、以下3つの仕組みで成り立っています。
順番に見ていきましょう。
DAOを構築するには、まずエコシステム全体を支配するルールを定義しないといけません。
定義したルールは、スマートコントラクトに書き込まれ保存されます。
プログラムで書き込まれたスマートコントラクト(契約のスムーズな検証、実行を意図したコンピュータ)は、誰にでも記録されたものを見られるため、オープンで透明性があります。
また、一度書き込まれたスマートコントラクトは誰も変更できません。不変的なものとなり、DAOを運営する際のルールが決定します。
また、特定の条件が満たされたときにのみ、特定のタスクを実行するようにプログラムすることも可能です。
特定のプロジェクトで、一定の割合の投資家が出資に同意した場合にのみ、資金を分配するというように、企業のタスクを自動的に実行するようにプログラムすることもできるのです。
スマートコントラクトでルールが定義されると、DAOの資金調達が行われます。
発行されたガバナンストークンを、オープンソースでDAOの定義を確認して共感したユーザーや投資家が購入してくれる仕組みです。
ガバナンストークンを購入すると、DAO内での特定の問題に対する投票権のようないくつかの権利や特権をユーザーは獲得できます。
BitDAOやCompoundなどの大規模なDAOでは、ガバナンストークンを保有すると、手数料や報酬の分配に関する提案への投票権を得られます。また、トークン自体の価値が上昇した際に利益が生まれることも期待されています。
DAOに参加すると投票権を得ることができますが、バナンストークンの最低保有量といったルールが異なっています。
投票するためにガバナンストークンのルールはしっかり把握しておきましょう。
ガバナンストークンが供給されると、保有量に基づいて意思決定が行われます。
参加者の過半数の投票と同意のシステムで規制されるため、外部の圧力を受けない独立した状態です。
DAOでは各シェアや投票はブロックチェーン上の取引、メンバーはアドレスで表されます。
アドレスは、人間やロボット、他のDAOが所有している可能性があり、匿名性が高いです。
DAOの中で特に代表的なものは、以下の4つです。
順番に見ていきましょう。
MakerDAO(メーカーダオ)は、DeFi(分散型金融)を代表するプロジェクトです。ステーブルコイン「DAI(ダイ)」の発行・管理や、レンディングプラットフォーム「DSR(Dai Savings Rate)」などを提供しています。
自律分散型の組織「DAO(ダオ)」によって運営されており、開発はメーカー財団(Maker Foundation)という非営利団体の主導です。
ステーブルコインは、以下の3つの分類です。
上記の中で、DAIは「仮想通貨担保型」に該当します。
仮想通貨担保型のステーブルコインは、仮想通貨を担保に発行されます。
しかし、仮想通貨は価格変動が激しく、価格を安定させるのは難しいです。
DAIは2019年10月まで、イーサリアム(ETH)を担保資産として発行していました。
しかし2019年11月には、イーサリアム以外に「ベーシック・アテンション・トークン(BAT)」が担保資産に追加。
複数の仮想通貨を担保に発行されるようになり、特定の仮想通貨の価格変動の影響を受けにくくなっています。
PleasrDAOは、NFTを収集しているDAOです。将来的にはDAOで蓄える資金を生かした投資などを行っていく予定で、現在は特にNFTアートの収集チーム(組織)として使われています。
PleasrDAOはエドワード・スノーデン氏(アメリカ国家安全保障局と中央情報局の元局員)がFoundation(NFTマーケットプレイス)にて販売した「Snowden NFT」の購入に使われたことで知られています。
当時はオークション自体が加熱したため、落札額は2,224ETH(約5,980万円)と非常に高額でした。また、個人ではなくアートコレクションを行うDAOであったことも話題に。
PleasrDAOによって、所有するNFTを担保にDeFiと組み合わせて資金を借り、新しいNFTアートの収集を行うような流れが出来つつあります。
NFTアートは、ブロックチェーン上で生成された所有権のあるデジタルアートです。
PleasrDAOによって、新しいNFTアートの使い方が可能となるでしょう。
Flamingo DAOはNFTに特化しており、所有可能なブロックチェーンベースの資産への投資機会を探ることを目的としている組織です。
Flamingo DAOのメンバーは保有するNFTを貸し出したり、他のDeFiプラットフォームの担保として利用したりできます。
DAO組織なので、メンバー投票のもとに方向性でNFTの活用方法が決まっていきます。
Flamingo DAOには誰でも参加できるわけではなく、メンバー数、身元確認、最低年収などの条件があります。
一般的な方だと入りにくいですが、高額なNFTを集団で扱うため、ハードルが高くなっています。全ての条件を満たしていたとしても、メンバーの空きがない場合は、もちろん加入できません。
Flamingo DAOは有名どころのNFTが多数揃えており、CryptoPunksのような高額なNFTアセットも200以上所有できているのも特徴です。
暗号資産業界では、DAOを最初に成功させて現在まで維持されているのはビットコインだと考えられています。
DAOは、人間の意志や干渉を最小限に抑えてプログラムによってのみ実行されるものです。そのためビットコインは、発足以来DAOの本質的な特徴である分散化と自律性を備えてきました。
ビットコインは「マイニング」という、仮想通貨の取引承認に必要となる複雑な計算(コンピューター演算)作業に協力し、成功報酬を受け取るという仕組みが決められています。
ビットコインのプログラムコードに内在するルールと、人間を動かすための報酬によって、管理者や中央集権的組織が不在で成長してきました。
また、ビットコインでは、ブロックチェーンの仕様はそのままでSegwitが導入されたりタップルートが実装されたりしています。
現在もアップグレードを続けており、今後も発展していくことが予想されます。
DAOは比較的新しいサービスで、今後は以下のような流れが予想されています。
順番に見ていきましょう。
現在の多くのDeFiやNFTのプロジェクトは、DAOによって管理されています。
暗号資産の時価総額約2兆ドルのうち、DAOが管理している割合は増加傾向です。ツールや機能は大幅にアップグレードしており、今後もDAOでプロジェクトが運営しやすくなっていくと予測されています。
なお、DAOを運営する助成団体GitcoinのCEOであるKevin Owocki氏も、今後の成長に期待する趣旨の発言をしています。
その点からも、DAOが今後も成長していく可能性は高いでしょう。
DAOは、リーダーやマネージャーのような管理者が存在せず、中央集権的な組織に支配されないことが特徴です。
ブロックチェーン上で独自のルールを基準に実行される組織となっており、外部からの介入を受けない政府からも独立した存在です。
また、オープンソースで透明性が高いため、DAO内の取引はすべてブロックチェーンに記録され存在が残り続けます。
さらにインターネットにアクセスできる人であれば、誰でもDAOトークンを保有したり、購入したりすることが可能です。そのため、DAOにおける意思決定権を持つことができ、参加者全員でDAOを成長させていけます。
DAOが注目されるほど、ガバナンストークンの価値が高まることが予想されます。
プロジェクトのガバナンストークン需要が高まり、価値が向上していくためです。
また、ガバナンストークンを保有することで、DAOで生じた利益の一部を受け取れる可能性もあります。
投票権に加えてその他のインセンティブも受け取ることができるとなると、DAOへの参加者が増えていくでしょう。
DAOは暗号資産の業界で次に話題になるものと予想されており、今後さらなる成長が期待されています。
そのため、仮想通貨に関心があるなら、積極的に情報を集めていくといいでしょう。
DAOは管理者も中央管理組織にも支配されていないため、これまでと違う社会につながる可能性を秘めています。
関心のある人は、今後のDAOについての情報を追いかけてみましょう。